2010年6月20日日曜日

祖父の形見

先日、祖父の形見である法被が出てきたので、袖を通してみた。

祖父は僕が一歳になるかならない頃に亡くなっているので、
どんな人だったかは全くと言っていいほど、何も知らない。

袖を通した法被はゆったりとした仕立てになっていて、
そんなに小柄な人物ではなかったように感じる。

そして法被を着た祖父は凛とした仕草で、
何事が起こっても、堂々とした構えの人だったのだろう。

小さな事で動揺したり、
つまらない事で腹を立てたりする事も多い僕であるが、
この法被に袖を通す時だけでも、
明治の男を気取ってみせようかと思ったりする。

それとも、落ち着きのない性格の僕を、
「この孫をなんとかしなければ」と祖父の亡霊が、
この法被を見つけるように仕向けてくれたのかも知れない。